自社商品・自社サービスの研修には魂をこめる

同じように研修をしていても実績は違ってくる

メーカーなら自社開発商品、流通ならメーカーや商社・問屋からの仕入商品、サービス業なら自社提供のサービスが売上・利益のもとになります。自分たちが販売する商品・サービスですから、当然その特長やセールスポイントなどを知っていなければなりません。

そこで、新商品や新サービスが市場投入される際には、多くの企業が新商品研修、新サービス研修を実施しています。

ところが、同じように時間を割いて研修をやっていても、販売実績には格差が生まれてきます。この差はどこから生まれてくるのでしょうか。

開発担当者の熱い思い

私はメーカーのマーケティング部門に所属していたとき、新商品の市場導入企画や研修を何度もやりましたが、そのときに肌身で感じたことがあります。

新商品の企画開発・製造を担当する事業部と、企画段階からどうやって売っていくかを何度も打合せしていました。このとき、企画担当者、開発担当者が”熱い思い”をもって取り組んでいる商品については、こちらも力が入り、何とか売れるようにしようと、互いに知恵を出し合っていたのです。

その一方で、ものづくり側に思いのこもっていない商品企画は、こちらも力が入りませんでした。このことは研修内容にもほぼ反映され、後者の研修は”流れ”でされることが多く、販売実績も伴いませんでした。

しかし、前者のような注力した商品でも期待通りに研修の成果が出ないこともありました。それは、研修を受講した人が講師役を務める場合によくありました。 同じ資料を使い、同じ内容の研修をしたとしても、伝える講師によって受講者の受け取る情報の濃さが違ってくるのです。

”生みの親”の思いを伝える研修

新商品というのは、開発担当者にとっては、我が子同然です。細部にわたり、”いい子”にするためのこだわりを持っています。一つひとつの部品の形状や材質、デザインにも意味があって成り立っているのです。

ただ表面的に見えているものだけを研修で伝えても、受講者の心に響きません。その背景にあるストーリーをあわせて伝えることで、印象に強く残るのです。

営業担当者が感銘を受けたことは、間違いなくお客さまに伝えます。心に響いたことを語るのですから、相手にも当然、伝わりやすいのです。

私が担当した商品でも、研修の際、企画・開発担当者によく語ってもらいました。
そうすることで、”育ての親”である営業担当者は、商品を大きく成長させてくれるのです。

新商品・新サービスの研修の際には、一番こだわりをもった人に語ってもらうようにしましょう。