社内研修資料は半製品で

研修資料に書いてあれば読みたくなる

研修会を開始する前、机の上には題名の書かれた研修資料が置かれています。会場についた受講者は席に着くなり研修資料を手にとります。パラパラとめくっていき自分の興味がありそうなページで一瞬手を止めます。再びページをめくりはじめ、最後までめくり終わると研修資料をもとの位置へ戻します。

研修会場でよく目にする光景です。

やはり目の前に資料が置いてあると、これから受ける研修の内容をくわしく知りたいのは人情です。中には熱心に読み込んでいる人もいたりします。

研修会の中で話すことがほぼ網羅された資料に出くわすことがあります。研修内容にもよりますが、研修会の資料はページの中に空白がめだつくらいの”半製品”がちょうどいいのです。

知識欲刺激のためにドラマの結末を伏せる

誰からもレクチャーを受けずに独学で研修内容を学ぶのであれば、1から10まですべて詳細に記載されたものが必要です。しかし、講師がいて説明をしてくれるのですから、そこまでくわしく書かれていなくてもかまいません。

受講者が研修資料の内容を"先読み"すると、"わかった"つもりになって講師の説明をしっかり聴けなくなります。講師の話に神経を集中させて、研修会を通じて習得すべきことを確実に吸収してもらう工夫がいるのです。

"答え"が書いてなければ、人は知りたくなって頭の中であれこれと考えをめぐらせます。結末を先に知ってしまったら、映画やドラマも面白さが半減してしまいます。

自分で”答え”を書けば記憶に残りやすい

研修をすすめていく中で”空白部分”を埋めてもらうための説明は、受講者が理解しやすいようにわかりやすくしましょう。

受講者自身が咀嚼し理解した内容を、自ら書きこんでいくことでより記憶に残りやすくなります。印刷されたものをさっとながめるのとは雲泥の差がでます。

研修会終了後に書きこまれたページだけコピーさせてもらい、書かれた内容をみれば理解度の確認もできます。

穴埋め問題にすれば自己学習用に

研修資料を「穴埋め問題」風に作成しておけば、後々自己学習用のツールとしても活用できます。

未受講の方や新入社員にまず”穴埋めされていない”資料で学んでもらいます。空欄には自分で解答を書きこんでいきます。解答し終わったら”穴埋めされた”資料で自分の解答と照合していきます。解答だけでなく、簡単な解説もはいっていればより理解しやい研修資料になります。基本的なこと、初歩的なことは、この「穴埋め問題」に適しています。

研修資料も工夫次第で活用度が高まります。創意工夫してみてください。