社内研修講師の育て方

出来る人しかやらないから講師が育たない

社内研修を実施していこうとすれば、研修講師の確保が課題としてあがってきます。「研修はやりたいけれど、教える人がいない」から前にすすめないことはよくあります。

講師経験のある人ばかりが研修をやっていると、なかなか他の人は育ちません。講師が少人数だと異動や退職などによって、研修会の開催におおきな支障をきたすおそれもあります。

多くの人はあまり人前で話した経験がないので、「私にはできません」と尻込みをしますが、練習を繰り返せば上達していくものです。 しかし、何もない状態から一人で研修内容を考えて、講師をやってくれというのには無理があります。ある程度、研修会のパータンを覚え込まないことにはハードルが少し高いでしょう。

主力商品・基礎カリキュラムは誰でも講師

最初はすでにあるような短めの研修会メニューを完全コピーすればいいでしょう。できれば自社の主力商品、サービスを提案するような内容が望ましいです。これを全社員が必須科目として身につければ、全員が”営業マン”としての活躍が可能です。

また、新入社員に対する基礎教育の内容をコピーして覚えるのもおすすめです。定期入社だけでなく、中途採用者もその都度入社してくるので、基礎的なカリキュラムをいつでも教えられる体制があれば安心です。全社員が教えられれば、新入社員の戦力化もスピードアップが可能になります。

熟練講師を完全コピー

社内の研修講師が”講師予備軍”のみなさんにいつも直接指導はできませんので、研修風景をビデオ撮影していつでも、誰でも閲覧できるようにしておきましょう。

ビデオで話している内容を書き起こしたテキストも併せて準備します。できれば音声だけのファイルも用意してあげれば、耳からの学習も可能になります。

これらのツールを使って、受講者は研修内容の完全マスターに挑みます。せりふを覚え、口に出し、なめらかに話せるようになるまで繰り返しトレーニングします。

講師テストでレベルを維持する

受講者が一つの研修会をマスターできたら、社内で講師テストを実施しましょう。その人が実際に研修講師として受講生に研修内容を伝え切れるかどうかという観点で判断します。

合格レベルまで達してないようであれば、再度訓練してもらい、何度でも再チャレンジしてもらいます。

こうすることで、社員全員が基礎的なレベルの研修講師を努めることができるのです。講師をやれるということは、内容を理解できていることの証です。

一つの研修を完全に身につけていれば、新しい研修をマスターするハードルはかなり低くなります。社員みんなが、講師として一定レベルに達していれば、講師不足に悩む必要もなくなります。