eラーニング 運用のコツ

eラーニングのデメリットを知る

ものごとには光もあれば影があるように、eラーニングにもデメリットがあります。この事実を認識した上で対応策を考え、実行しましょう。

短所としてよくあげられるのは次の2点です。集合研修と違い、受講者本人の予定や気分に合わせてeラーニングを実施できるため、受講を徹底することがむずかしくなります。日常業務を優先させて学習が後まわしになり、未受講者が発生しがちです。

もう一点は、受講姿勢の問題です。とりあえず、パソコンでeラーニングの画面を開いてクリックしていけば、”受講完了”となってしまいます。これでは受講者によって学習効果に大きな差がでてしまいます。学習内容の理解度をテストすればいいのですが、中には先に終わった人に解答を教えてもらう人もいますので、eラーニングの効果を正しく判断できません。

受講促進の裏ワザ・表ワザ

受講されないことにはeラーニングの価値はまったくありません。どうやって対象者全員に受講してもらうかは、運営サイドとしても知恵のしぼりどころです。

一般にeラーニングと呼ばれているシステムには、LMS(Learning Management System)という教材を管理したり学習履歴を記録したりする機能があります。これを使えば進捗を確認することは可能ですが、受講促進には直接つながりません。

決められた期間内にeラーニングを実施するよう、メールなどで発信されることがあるかと思います。案内メールがくると、すぐに着手する人がいる一方で、なかなか腰をあげてくれない人もいます。

一回の案内では、忘れられてしまいますので、何度かメール発信することは大事です。気づいてやってくれる人が必ずいます。

途中で、進捗発表することも受講促進につながります。部門別の進度をランキング形式などでオープンにするのも効果があります。他部門に負けじと、部門の中で促進してくれるのです。

いろんな施策をやったとしても、100%受講までの道のりは平たんではありません。最後の最後まで未受講の人たちには、直接電話をして督促しましょう。全員が期限内に完了するようなeラーニングになれば、効率的な運営がしやすくなります。

その他に、未受講の人がすでに退職していたり、休暇中だったりすることがあるので、当該部門から連絡をもらえるようなしくみづくりもしていきましょう。

学習時間はできるだけ短かく

1回の学習時間が長すぎると、eラーニングの時間を割くことが難しくなるので、できるだけコンパクトにまとめましょう。

10分程度の研修なら集中力も途切れずに取り組めます。また、短ければ学習で重要な”復習”もしやすくなるのでおすすめです。

短い研修を組み合わせて長くはできますが、長い研修を単純に短くしたら、内容がわからなくなってしまいます。

高得点がとれるテスト問題を作成

eラーニングによる習熟度を確認するためにテストを実施する際には、高得点がとれるような問題をつくりましょう。

テストの結果がよければ誰でもうれしいものですし、学ぶことの喜びを感じれば、さらに学ぼうという意識が芽生えてきます。

eラーニングの最後に、頭を悩ますような難解な問題を出されるとモチベーションは下がりやすくなるので注意してください。

eラーニングのカンニング予防法

どれだけ学習内容を理解したかを知りたいのに、”カンニング”で解答されてしまうと正しい姿は見えてきません。

何とか、自力で解答してもらえる方法はないかと、アレコレ考えた末に実施したのが「ランダム出題」です。

勤めていた会社に構築されていたeラーニングシステムに、この機能があることを見つけ、活用することにしたのです。

できるだけ出題がかぶらないよう、通常の4〜5倍の問題数を考えてシステムに入れました。そして、いざスタートです。

やはりこちらが想定していたとおり、先にやった人に答えを教えてもらっている人がいました。中にはeラーニングを数人で同時に始めて、わかる人が答えを言っていくというやり方をしている部門もありました。しかし、自分の見ている問題と、他の人が答えている内容がどうも食い違っていることに気づき、各自が自力でやったとの話を後から聞きました。

「ランダム出題」は問題作成が大変ですが、後々活用もできますので、機能があるeラーニングシステムを使っているなら、ぜひ取り組んでみてください。

eラーニングシステムをいかして使えるかどうかは、運営サイドにかかっています。ちょっとした工夫と努力の積み重ねがシステム活用の道を開きます。