研修会資料は先送り

研修会の“予習”は講師と受講者のメリット大

「研修会資料は”先送り”」というタイトルから、資料作成の納期を延長してもいいようなニュアンスにとられているかもしれません。

真意は当然違いまして、研修会当日に資料を配布するのではなく、事前に受講者のもとへ届けておき予習をした上で参加してもらおうという趣旨です。

あらかじめ研修会資料に目を通しておけば内容を理解しやすくなりますし、研修会当日に疑問点を質問できます。ぶっつけ本番で臨むと“わからないこと”がわからいままに研修が進んで、結局肝心なことを聞けずに終わってしまうことがよくあります。

講師側も研修会前に受講者から質問が出てくれば、よりわかりやすい解説をしてあげることが可能になります。また、研修資料の記載ミスや誤記なども大勢の目でチェックできます。

講師と受講者が互いに“予習”しておけば、研修会当日はスムーズに進行し、時間の有効活用につながります。

研修資料事前閲覧を促すコツ

住宅設備機器メーカー勤務時代、新商品の導入研修を何回もやっていましたが、残念なことに”真新しい”研修資料を持参する受講生が少なくありませんでした。
研修会が始まるまでに全国の営業拠点へ資料を先行で送っていたので、”見る時間”はあるはずです。少なくとも研修会場への移動時間に目を通すことは可能です。それでも見ない人は見ません。 その一方で、資料の隅々まで目を通して内容を確認する意識の高い受講生もいました。

研修会を企画・運営する側には、受講者に意識をもってもらい研修資料を一読してきてもらうための、ちょっとした工夫が求められます。

研修会の冒頭にテストを実施することを告知しておけば、それなりに資料を見てくる可能性はあります。しかし、あまり高圧的なやり方は効果がありません。研修資料発送の際、次のような一文を送付案内に付け加えておくとよいかもしれません。

「研修会を効率よく進めるため、必ず事前に資料をお読みください。今回の研修会は予習を前提にしております。理解度確認のため、研修会冒頭、数名の方に質問させていただく予定です」

この種の案内は”無視される”確率が高いので、受講者にはメールで何回かに分けて伝えた方がいいです。

研修会当日は、意識の高い受講者に依頼して”さくら”になってもらうといいでしょう。質問をされた”さくら”の受講者がレベルの高い解答をすれば、他の参加者も「ちゃんと予習しないと・・・」という意識に変わってきやすくなります。

会社や組織、受講者、研修内容等によって、好ましいやり方は変わってきます。上記のことを参考にしていただき、企画している研修に合った方法を実践してください。