事業仕分されてもプレゼンは一番

プレゼンはトップバッターで

営業をしていると、お客さまから提案を求められることがあります。コンペ形式で競合各社がプレゼンを行い、クライアントが自社の条件とイメージに一番近いものを採用します。

お客さまへのプレゼンは競合する企業が順番に実施していくのが一般的です。時間帯を分けて1日でやることもあれば、日を変えて行われることもあります。

同時にやることは少ないですから、順番が決められてプレゼンをすることになります。先方から日時を指定されることもありますが、こちらの希望が通るのなら、一番最初にやらせてもらいましょう。

競合他社とプレゼン内容がかぶっていたら

プレゼンをする側は提案内容を少しでもよくするための時間がほしいと、プレゼンの順番をできるだけ後にしようとする傾向があります。わずかな時間でも、他社よりも良いものを提案したいという思いは大切です。しかし、プレゼンを後にすることのマイナス面を理解しておく必要があります。

どういうことかというと、同じ条件のもとでプレゼンする企画や提案内容を各社が考えるのですから、類似した内容になったり、かぶってくる可能性があります。

たとえば、A社とB社がプレゼンテーションを実施するとします。まずA社が先にプレゼンします。続いてA社と入れ替わりでB社がプレゼンを始めます。

B社のプレゼンが進むにつれ、クライアントが「どこか、A社の提案内容と似ているな・・・」と思い始めたとしたら・・・。こんな場合、A社とB社がそれぞれ独自に考え出した企画のプレゼンだったとしても、先にプレゼンをした方が有利です。

2回目の感動は75%も減る

初めて聞いたときには感動したことでも、2回目以降は感動の度合いが薄れていってしまいます。1回目の感動を1とすれば、2回目は1/4、3回目は1/9、4回目は1/16という具合に、回数の二乗に反比例していきます。

人の気持ちを正確に測ることは困難ですし個人差もあり、あくまでも感覚的な話になりますが、自分の経験に照らし合わせてみれば、あまり違和感はないと思います。

映画館で観たときには感激した映画をテレビで観たら、それほど心に響かなかった。そんな感じでしょうか。

同じアイデアや類似の企画が他社からも提案される可能性があるのなら、先陣をきったほうが有利です。2番では意味がありません。そうすれば万一のときでも、あなたのプレゼンはお客さまの記憶にとどまりやすく、優位に立てます。

プレゼンの中身が肝心

メーカーの宣伝部門に在籍していたとき、クライアントとしてプレゼンテーションを聞く機会がよくあり、実感していたことです。

ただし、気をつけるべきこともあります。人の記憶は上書きされやすいので、あとからのプレゼンが印象に残りやすくなります。いくらプレゼンのトップバッターになったとしても、肝心な提案の中身とプレゼンテーションそのものの質を高かめなければ意味はないのです。

2011.11.14