部下と競わない
部下を持っているマネージャーの中には、マネジメントだけでなく、自分で実務をこなしている人も多いでしょう。
特に営業職の場合だと、一人でも頭数が多い方が売上に貢献できるという考えのもと、「プレイングマネージャー」として活躍されるケースがよくあります。
売上実績を上げてきた営業マンが、営業所長や営業課長に昇格しているはずなので、”売り子”としての能力は担当者に比べれば高いです。
売上担当を持った営業マネージャーは、自部門の売上を確保するために自ら営業活動に注力します。部門全体の数字が悪ければ、その動きはさらに活発なものになっていきます。
市場全体の環境が良いときは、営業マンの能力差ほど売上実績には差がつきにくいものですが、状況が悪化するほど、実績に優劣が出やすくなります。
担当者の数字がなかなか上がらない中で、マネージャーが自分で売上を作れば、自慢もしたくなります。
「どうして売上が上がらないんだ。俺みたいにやってみるよ」
ついつい口に出してしまいそうなフレーズですが、ここは我慢すべきなのです。
営業マネージャーのあなたが、一人でがんばっても物理的な限界というものがあります。身体は一つしかないのです。
それよりも、部下の能力を高めることに重点を置いた方が、中長期的には結果を期待できます
そのためのまず第一歩として、「部下と競わない」ことを肝に銘じましょう。競ってしまうと、次のようなデメリットが生じてきます。
1.自分たちにはできないと思い込んでしまう(所長・課長だからできる)
* 多くの場合、あなたの方が営業能力があるのです。その力を誇示しても、
部下は委縮したり、やる気をなくすだけです。
2.部下の話を聴く機会が減る
* 実績を上げると、誰しも話をしたくなるものです。部下の話を聴かずに、
自分の成果を一方的に話してしまう危険性があります。
(部下の育成に欠かせないコミュニケーションが不足する)
心当たりのあるマネージャーは、意識しましょう。
2011.09.26