出来てるかな?パーセントとポイントの使い分け

いきなり出題です。

あなたは、パソコンメーカーの営業マンです。 今秋、新商品のパソコンが発売されます。メーカー希望小売価格は100,000円(税別)で、あなたの取引先の特約店には希望小売価格の50%で納入する旨、交渉にいきました。

すると、先方の仕入れ担当者の方から、仕入れ台数を1割上乗せするので、5%値引きをして欲しいと要請されました。 すぐに上司に電話をして相談すると、先方の条件受け入れを承認してくれました。 さて、あなたは1台いくらで納入しますか?

一応、選択肢をご用意しました。

【A】45,000円(税別)

【B】47,500円(税別)

【C】A、B以外の金額

さて、どの解答を選ばれたでしょうか。 業界や流通、商慣習によって答えが違ってくる可能性はありますが、”より正しく”は【B】の47,500円です。

【A】を選ばれた方は、「希望小売価格の50%で納入する約束だったから、5%引きで45掛け(45%)の45,000円」と考えられたのでしょう。 希望小売価格の45%を要望するなら、「あと5ポイント値引きして欲しい」あるいは「あと10%(パーセント)値引きして欲しい」というべきです。

「パーセント」と「ポイント」の使い分けがされていないケースは、日常生活の中でもよく見かけます。

たとえば、現在の野田内閣の支持率が60%だとします。一年後、野田首相の奮闘ぶりが評価され、支持率が70%になった場合、「内閣支持率が10%もアップしたよ!」みたいな会話があちこちで聞こえてくるでしょう。

60%の人が10%増えたのなら、0.6÷0.9=0.66・・・、約66.7%の支持率になります。

70%の支持率のケースでは、(0.7−0.6)÷0.7=0.1428・・・、約14.3%(パーセント)支持率が増えたと、表現しましょう。

「10」の数字を使うときは、「10ポイント支持率が上がった」という具合に使う必要があります。 本当は、パーセントポイント がより正確な表現のようですが、パーセントは省略され、ポイントだけで使われていることが大半です。

ビジネスにおいて「パーセント」と「ポイント」が使い分けできていないと、収益を悪化させるリスクがあります。 案外、知らない営業マンも多いので、まわりの人にも教えてあげてください。

2011.09.24